7月10日、ポレポレ俳句部を行いました。
こちら関西もいよいよ梅雨が明け、クマゼミもジャイジャイ鳴いております。近所のサクラの木なんかはもう、朝から大音量となっています。
そういえば、私は東海地方出身なのですが、数年前の夏に実家に帰った時、クマゼミばかりになっていて驚きました。
子どもの頃はアブラゼミばっかりだったのになあ。クマゼミもいたけどけっこう珍しかったです。
どうも、クマゼミは北上しているようですね。温暖化だけでなく、いろいろな影響があるようですが。
…って、いやいや、今回はセミじゃなくて、「蛍」です。
闇夜に流れる光は美しく神秘的で、昔から詠まれている言葉です。
【解説】
梅雨前後の夜、光を明滅させながら集団で飛び交う昆虫。
光の点滅は集団での求愛行動で、羽化してからのホタルは水しか飲まず、短い成虫期間を終えます。日本には四十種類以上のホタルがいますが、代表的なものは大きな源氏蛍と少し小さな平家蛍です。
【子季語】
大蛍、初蛍、蛍火、朝の蛍、昼蛍、夕蛍、宵蛍、雨の蛍、蛍合戦、平家蛍、源氏蛍、姫蛍、草蛍、ほうたる
今回は、お久しぶりの方や見学の方、オンライン参加の方もいらっしゃって、多くの作品が集まりました。
今回の作品には、作者の見た風景や経験を詠んだ句もあり、また架空の光景を詠んだ句もありました。
そのことから、講師の薬夏さんが話してくださいました。
架空の情景の句でも、読み手に感動を与えることができます。その視点で詠むのも有意義なことです。ただ、技巧に陥りがちな点だけ注意が必要、と。
対して、やはり経験から詠むということは、作者にとってはとても意味があるものです。
何年も後から見返してもその情景を思い出せるし、その頃の自分の心の状態や成長なども感じることができる。
そうやって何気ない日常を綴って、日記的に手元に残しておくことは非常に意義のあることです。
そんな話を聞いて、素人俳句詠みであるからこそ、自分のためだけの句作もできるのかもしれないな、と感じました。
自分だけの景色を、自分のために、日付とともに記録していこうと思います。
題詠「蛍」
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連れ立ってコーナンにゆく昼螢(のん)
水無月や車椅子の子からのあいさつ(てっちゃん)
残りをる城の礎夕蛍(紙の舟)
ミンティアを噛み砕く君夕螢(松竹梅)
さびしさや命はかなき夏ホタル(スニーカー)
昼の蛍は蜚蠊に似ていた(霧鳴)※蜚蠊:ごきぶり
あえかなる蛍火の如く光らまし(藤風)※蛍火:けいか
初螢電源落とすブルーライト(ぶらんばる)
雨の日や川辺に残す螢とあなた(団地)
ほうたるや橋を渡りて目を閉ぢて(薬夏)