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猫の恋 2022年4月ポレポレ俳句部 作品発表




なーうなーう

春の猫が鳴いています。




我が家の猫が1歳だったころを思いだします。


私が地方に長期滞在することになり、猫も一緒に連れて行きました。滞在先にはすぐに慣れた様子でしたが、旅先なので屋外には出さないようにしていました。


夏の台風のある日、いつもと猫の様子が違うのに気がつきました。落ち着きなくうろうろして大声で鳴いています。発情期のことをよく知らなかった私は、初めてのことに戸惑いました。


外を覗くと、近所の野良猫(♂)がこちらを伺っています。全身茶色のそいつは、うちの猫とは不釣り合いに見えました。


台風が強くなり、外は嵐です。猫はしきりに外に出ようとします。 ある時、人の出入りの隙間をすり抜けて、玄関から飛び出していきました。 猫の名を呼び、追いかける私。 しかし、その姿はすぐに嵐の中に消えていきました。 …あくる日、猫は普通に帰ってきました。 いつも通りの様子でしたが、私はなにかよそよそしさを感じました。


そして65日後。 母猫と同じ柄の2匹と、全身茶色の2匹の子猫を産んだのでした。



今回の季語


そんな思い出もよみがえる春。

今回の季語は


「猫の恋」または「猫の子」




 猫の恋

 恋に憂き身をやつす猫のこと。春の夜となく昼となく、ときには毛を逆立て、ときには奇声を発して、恋の狂態を演じる。雄猫は雌を求めて、二月ごろからそわそわし始め、雌をめぐってときに雄同士が喧嘩したりする。
 


 猫の子

 春に生まれた猫の仔をいう。生まれたばかりの仔猫の愛らしさは無類である。これから味わうであろう世の荒波を思えば哀れでもある。

引用:きごさい歳時記








今回の作品


題詠「春の猫」「猫の子」

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一度きりではない坊主頭春(森の中の田んぼ)


猫の仔の鳴く声背中に突き刺さる(藤風)


猫の子や道の真中に寝そべりぬ(紙の舟)


あたしよりかはいい子猫ひろつたの(松竹梅)


抗へど洩れ出る唸り春の猫(楽来)







次回のお題


「薄暑」もしくは「袋角」でお願いします。

次回の俳句部は5月14日(土)です。

ネフネの「ポレポレ俳句部」は、毎月第2土曜日13:30〜15:30に開催しています。(現在は感染症対策のため時間短縮しています)講師は俳人の松本薬夏さん(→Twitter

開催場所:NEFNE(大阪府寝屋川市八坂町13-11)

状況によりオンラインを併用しています。

参加希望のかたはメール(info@nefne.website)またはSNSでご連絡いただけると嬉しいです。

俳句初心者歓迎です!


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