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如月 2023年2月ポレポレ俳句部



(テキスト:楽来)


2月11日俳句部が開催されました。私(楽来)はだいぶ遅刻してしまいましたので、自分勝手な観賞になってしまいますが、ご了承ください。

今月のお題は「如月」でした。 「如月」は2月を表す和風月名です。2月というと一番寒い頃という感覚ですが、俳句では立春(2月4日頃)から立夏(5月6日頃)前日までを春としますので、「如月」は春の季語です。

今回集まった俳句は五句でした。まず一気に全部の句を紹介したいと思います。


1  如月の机の仏華にほひけり (紙の舟)

2  雪消月土掘る犬の探し物 (のん)

3  如月の砂糖湯を日に一二杯 (松竹梅)

4  如月の渦中へ車椅子の君 (楽来)

5  如月やグラビアの女の子に感謝 (森の中の田んぼ)


「如月」が春の季語だと先に触れましたが、現実にはまだまだ寒さが残る時期なので、この季語を活かすためには春の予兆や予感を表現するのが1つの方法です。1〜3の句は、それが良くできていると思います。


1の句は、嗅覚で春の予兆を感じさせてくれます。また、この句では「仏華」というものに着目せざるをえません。1月の藤風さんの作品でも詠まれていましたが、亡くなった人に花を手向けるという行為は、人間性というものを考える上で、非常に重要な象徴的行為です。結論めいた事を言うと、人間というのは他者との関係性の中で生きる。そしてその他者の中には、死者や、これから生まれてくる者も含まれる、ということだと私は考えています。


2の句は視覚(雪解け)と、触覚(土掘る)そして犬だから嗅覚も使って表現されています。この俳句を見て井上陽水の「夢の中へ」という曲を思い出しましたが、ご本人は、おそらくそこまでは考えていないでしょう。それにしてもこの俳句は良く出来ていますね。内容にぴったりの雪消月(ゆきげづき)という如月の傍題を使ったのもすごいし、探し物という名詞で着地させたところもかっこいいです。


3の句は味覚を使った高度な作品です。寒さの中で春の兆しを見つける喜びと、舌で甘味(喜び)を探り感受することが、アナロジー(類比)のように表現されています。また「日に一二杯」という表現もいいですね。穏やかなほっこりとした日々を連想させます。


さて残るは4と5の問題作です。4は私の句ですが「渦中」というのが意味不明な上に、どちらかというと静的な状態をイメージさせてしまいます。「へ」という助詞で能動性を表現しようとしましたが、やはり「渦中」という言葉の選択が悪かったのだと思います。他にいい言葉を見つけられなかったのだから、単に私の力不足です。


5の句は鑑賞する側の力が試される俳句ですね。私も一人の男ですから、グラビアの女の子に感謝しないこともないんですが、ご本人が伝えたかったのは、もう少し深い意味があるんだと思います。ここは思い切って、グラビアの女の子のところをミケランジェロのダビデ像に頭の中で変換してみましょう。別に他のものでもかまいません。読み手のそれぞれが人間(生命)への讃歌、生きることの喜びを感じさせるものを想像してみてください。少し強引かもしれませんが、そうすることでこの俳句がいい作品になるのではないかと思います。




以上で報告を終わります。



楽来/二頭流プレイヤー


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